
こんにちは!おんとらです。
今回はオススメのホラー漫画。
おすすめと言うよりもお気に入りの方が近いですけれど。
※当ブログでは商品・サービスのリンク先にプロモーションを含みます。ご了承ください。
漂流教室(楳図かずお)
『漂流教室』について
『漂流教室』は、楳図かずお先生によるSFパニックホラー漫画の金字塔的作品です。1972年から1974年にかけて『週刊少年サンデー』で連載され、その斬新な設定と衝撃的な展開は、当時の読者に大きなインパクトを与え、後の様々な作品にも影響を与えました。
物語のあらすじ
主人公は小学6年生の高松翔(たかまつ しょう)。ある日、学校で母親との喧嘩の勢いから「学校なんか爆発しちゃえ!」と叫んでしまいます。すると、その言葉が呪いのように、学校が巨大な光に包まれ、校舎ごと見知らぬ荒廃した世界にタイムスリップしてしまいます。
そこは、水も食料も満足になく、巨大な昆虫や恐竜のような生物が生息する、未来の地球でした。教師たちは次々と発狂したり死んだりしていき、残された小学生たちは、食料や水の確保、生き残るための争い、そして精神的な恐怖と戦いながら、自分たちの力だけでサバイバルを強いられます。
子供たちは、極限状態の中で助け合い、時には裏切り、大人たちの社会が抱える問題をも映し出すかのように、醜い争いを繰り広げます。彼らは元の世界に戻る方法を探しながら、過酷な環境を生き抜こうとします。
作品の主な特徴
- 極限状態の心理描写: 子供たちが大人不在の極限状況でどのように行動し、精神が変貌していくかが生々しく描かれています。恐怖、絶望、友情、裏切り、そして成長といった人間の様々な感情がむき出しになります。
- 社会風刺: 子供たちの社会の中に、大人たちの社会が抱える問題(権力争い、差別、環境破壊など)が凝縮されて表現されており、深いメッセージ性を持っています。
- 不条理な恐怖: なぜタイムスリップしたのか、未来の地球で何が起こったのか、その真相が徐々に明らかになっていく過程での、先の読めない展開と不条理な恐怖が特徴です。
- 楳図かずおの絵と表現: 楳図かずお先生独特の、可愛らしいながらもどこか不気味で、そして時にはグロテスクな描写が、物語の恐怖を一層引き立てています。
- SFとホラーの融合: タイムスリップというSF的な設定と、極限のサバイバルによるホラー要素が見事に融合し、唯一無二の世界観を築き上げています。
影響と評価
『漂流教室』は、少年漫画でありながら、子供たちが大人顔負けの残酷な状況に直面し、生き残るために必死になる姿を描き、読者に強烈な印象を与えました。そのテーマ性や描写は、後の多くのパニック・サバイバル系の作品に多大な影響を与えたと言われています。映画化やドラマ化もされています。
『漂流教室』は、ただ怖いだけでなく、人間の本質や社会のあり方について深く考えさせられる、まさに名作と呼べるホラー漫画です。もし未読でしたら、ぜひ一度読んでみることをお勧めします!
文庫版
kindle版
うしろの百太郎(つのだじろう)
『うしろの百太郎』
『うしろの百太郎』は、漫画家・つのだじろう先生による心霊ホラー漫画です。1970年代後半に『週刊少年チャンピオン』で連載され、当時の少年たちに大きな影響を与えました。つのだじろう先生は、怪奇現象や超常現象をテーマにした作品を数多く手掛けており、本作もその代表作の一つです。
物語のあらすじ
主人公は、生まれつき霊感の強い少年、後一太郎。彼の背中には、彼にしか見えない「守護霊・百太郎」が憑いています。この百太郎は、普通の人間には見えず、聞こえない存在ですが、一太郎がピンチに陥ったり、不可解な事件に巻き込まれたりすると、その強大な霊能力を発揮して、一太郎を助けたり、悪霊と戦ったりします。
物語は、一太郎が学校や日常で遭遇する様々な心霊現象や超常現象、あるいは人間の怨念や悪意が引き起こす怪奇事件を中心に展開します。霊界の百太郎は、一太郎とその周囲の人々を見守り、導いていきます。
作品の主な特徴
- 日常に潜む恐怖: 学校の七不思議、古い家にまつわる怪談、人間の心の闇が生み出す怨霊など、身近な場所や状況で起こる心霊現象が描かれ、読者に「もしかしたら自分にも起こるかもしれない」という日常に潜む恐怖を感じさせます。
- つのだじろうの世界観: つのだじろう先生ならではの、どこかユーモラスでありながらも、時にはゾッとするような独特のタッチで、怪奇現象が描かれています。霊界の描写や悪霊のデザインも、当時の読者には非常に新鮮でした。
影響と評価
『うしろの百太郎』は、心霊現象をテーマにした漫画としてはパイオニア的な作品の一つであり、後のオカルトブームや、霊能力バトル漫画の礎を築いたとも言われています。読者に超常現象への興味を抱かせるとともに、恐怖だけでなく、守護霊という存在を通して、人智を超えた世界の不思議さや、心の温かさも感じさせる作品として、今でも根強いファンがいます。
いかがでしたでしょうか。『うしろの百太郎』は、ただ怖いだけでなく、主人公と守護霊の絆、そして超能力バトルの要素が融合した、非常にユニークな作品です。もしご興味があれば、ぜひ読んでみてくださいね!
kindle版
恐怖新聞(つのだじろう)
『恐怖新聞』とは
『恐怖新聞』は、漫画家・つのだじろう先生による心霊ホラー漫画です。1973年から1974年にかけて『週刊少年チャンピオン』に連載され、当時の子供たちに強烈なインパクトを与えました。先ほどご紹介した『後ろの百太郎』と同じく、つのだじろう先生の代表的な怪奇作品の一つです。
物語のあらすじ
主人公は、中学生の鬼形礼(きがた れい)。ある夜、彼の自宅に「恐怖新聞」と書かれた新聞が届くようになります。この新聞には、これから彼の身の回りに起こる不幸な出来事や、世間を騒がせる惨劇、あるいは超常現象が予言として掲載されています。
しかし、この「恐怖新聞」には恐ろしい契約が課せられています。それは、新聞が届くたびに、100日の寿命と引き換えに購読料を支払わなければならないというもの。購読を拒否しようとすると、さらに恐ろしい事態に見舞われるため、礼は恐怖に怯えながらも、半ば強制的に新聞を受け取り続けます。
礼は、恐怖新聞に記された予言を知ることで、友人を救おうとしたり、事件を未然に防ごうと奔走しますが、その予言は常に残酷な形で実現し、彼を絶望の淵に突き落としていきます。そして、新聞を受け取るたびに、彼の寿命は確実に削られていくのです。
作品の主な特徴
- 命を削る恐怖: 新聞を読むたびに寿命が減るという、非常に分かりやすく、そして切実な恐怖のルールが設定されています。読者は、礼の寿命が刻一刻と減っていく中で、彼の苦悩と絶望に感情移入することになります。
- 逃れられない運命: 恐怖新聞の予言は絶対であり、礼がいくら抗っても、破滅的な結末を回避することはできません。この「逃れられない運命」というテーマが、読者に深い絶望感と無力感を与えます。
- 日常に潜む怪奇: 学校や家庭、友人関係といった日常的な舞台で、突如として超常現象や悲劇が起こることで、読者は身近な場所に潜む恐怖を感じさせられます。
- 独特の画風と描写: つのだじろう先生独特の、どこかユーモラスでありながらも、時にグロテスクで不気味な絵柄が、恐怖の雰囲気を一層高めています。特に、恐怖新聞に掲載される不気味なイラストや、怪奇現象の描写は印象的です。
- 人間の心の闇: 事件の背景には、人間の欲望、嫉妬、憎悪といった心の闇が深く関わっていることも多く、単なる心霊現象に留まらない、人間の業を描いています。
影響と評価
『恐怖新聞』は、その衝撃的な設定と、主人公に救いが訪れない絶望的な展開で、当時の読者に大きなトラウマを与えたと言われています。「読むと寿命が減る」という設定は非常に有名で、後に様々な作品や都市伝説に影響を与えました。
アニメ化や実写ドラマ化もされており、特にドラマ版では、原作とは異なる解釈や設定が加えられることもありましたが、作品が持つ独特の不気味さとサスペンスは多くの人々に知られることとなりました。
『恐怖新聞』は、超常現象の恐怖と、避けられない運命の残酷さを描いた、日本のホラー漫画史に残る傑作です。もし未読でしたら、その絶望的な世界観をぜひ体験してみてください。
kindle版(1~3巻大合本)
座敷女(望月峯太郎)
『座敷女』とは
『座敷女』は、漫画家・望月峯太郎(もちづき みねたろう) 先生によるホラー漫画で、1993年から1994年にかけて『ヤングマガジン』で連載されました。望月先生の代表作の一つであり、その独特な「日常に潜むじわじわとした恐怖」の描き方で、多くの読者にトラウマを与えた作品です。
物語のあらすじ
主人公は、ごく普通の大学生、森(もり)ひろし。
一人暮らしそしているアパートの隣室のドアが激しくノックされている事に不気味さを感じながらもつい自室のドアを開けてのぞき見してしまう。
隣室のドアの前には長い髪の毛にロングコートの背の高い女が立っていた。
後日。
ロングコートの女から電話を貸してほしいと頼まれる。
断り切れず玄関に招き入れ電話を貸すことに。
その日を境に隣室の客人だったはずの女がひろしに付きまとうようになって・・・
作品の主な特徴
- 「じわじわ来る」精神的恐怖: 直接的なグロテスク描写や暴力はほとんどありませんが、得体の知れない女の存在が、主人公の精神をゆっくりと蝕んでいく様子が克明に描かれています。常に誰かに監視されているような感覚や、逃げ場のない閉塞感が読者を襲います。
- 日常の侵食: ごく普通のアパートや街並みが舞台でありながら、そこに非日常的な「座敷女」が紛れ込むことで、日常が少しずつ歪んでいく様子がリアルに描かれています。この日常とのギャップが、読者の不安を煽ります。
- 不気味な絵柄と表現: 望月峯太郎先生独特の、淡々としていながらも、どこか不穏さを感じさせる絵柄が、作品の雰囲気を際立たせています。特に、女の無表情な顔や、遠くから見つめる視線は、読者に強烈な印象を与えます。
- 謎が謎を呼ぶ展開: 女の正体や目的が明確に語られることは少なく、読者は主人公と共にその謎に引き込まれていきます。明確な解答がないからこそ、読者の想像力を掻き立て、心に深い爪痕を残します。
影響と評価
『座敷女』は、派手さはないものの、心理的な恐怖を極限まで追求した作品として高い評価を受けています。幽霊やモンスターといった従来のホラーとは異なり、「そこにいるだけ」で人を恐怖させる、新しいホラーの形を提示しました。
その独自の恐怖表現は、後の多くの心理ホラー作品に影響を与えたと言われています。映画化もされており、漫画が持つ独特の不穏な空気を映像で再現しようと試みられました。
話ももちろんホラーですが、なにより「座敷女」の風貌だけですでに怖い。
あらゆるホラー系キャラの中でも断トツで不気味なキャラクター。
kindle版
他
ホラーと一口に言っても、精神的な怖さ、グロテスクな描写、日常に潜む恐怖、ギャグ要素のあるものなど、様々なタイプがあります。ここでは幅広いタイプの傑作・人気作を挙げさせていただきます。
ホラー漫画のオススメ作品
1. 伊藤潤二作品全般
- 特徴: 日本のホラー漫画界の巨匠。日常的なものが異形と化す「うずまき」や、人間の深層心理に迫る「富江」など、独創的で不条理な世界観が特徴です。絵の緻密さも相まって、生理的な嫌悪感やぞわぞわするような恐怖を味わえます。
- 代表作:
- 『うずまき』: 日常のあらゆるものが「うずまき」の呪いに蝕まれていく、閉塞感と狂気が最高潮に達する傑作。
- 『富江』: どんな男性をも魅了し、狂気に陥れる謎の美少女「富江」を巡る連作。何度殺されても蘇る不死身の恐怖。
- 『首吊り気球』: 空中に浮かぶ巨大な生首が人々を襲う、視覚的なインパクトと不条理な恐怖が光る短編。
- こんな方におすすめ: 唯一無二の不条理ホラー、生理的な嫌悪感、ビジュアル的なインパクトを求める方。
2. 『彼岸島』シリーズ(松本光司)
- 特徴: 謎の吸血鬼が蔓延る孤島「彼岸島」を舞台にしたサバイバルホラー。グロテスクな描写が多く、絶望的な状況下での人間ドラマも描かれます。ハチャメチャな展開も多く、読者からは「丸太」などのキーワードで親しまれています。
- こんな方におすすめ: グロテスクな描写に耐性があり、絶望的なサバイバルと奇抜な展開を楽しめる方。
kindle版
kindle版
3. 『不安の種』『不安の種+』(中山昌亮)
- 特徴: 日常のふとした瞬間に現れる、正体不明の「異形」を描いたショートホラー集。明確なストーリーがあるわけではなく、視覚的な恐怖と「なんだこれ?」という不気味さがじわじわと来る作品です。
- こんな方におすすめ: 日常の裏に潜む不気味さ、短い話でゾッとしたい方。
4. 『押切怪談』(押切蓮介)
- 特徴: ホラーゲームのような独特の絵柄と、不気味ながらもどこかユーモラスなキャラクターが魅力の短編集。シュールな展開や、ぞっとするようなオチが特徴です。
- こんな方におすすめ: 他とは一線を画す独特の世界観、シュールでコミカルな要素も許容できる方。
5. 『寄生獣』(岩明均)
- 特徴: 突如として地球に飛来した謎の生物「パラサイト」が人間に寄生し、人間を捕食し始めるSFホラー。主人公と右手に寄生したパラサイト「ミギー」との共存と戦いを描きます。バトル要素が強いですが、倫理観や生命の尊厳を問うテーマも深く、読み応えがあります。
- こんな方におすすめ: SF要素、バトル要素のあるホラー、哲学的なテーマが好きな方。
kindle版
6. 『惡の華』(押見修造)
- 特徴: 直接的なホラー描写は少ないですが、人間の内面の闇、思春期の歪んだ感情、精神的な病みを描写する「精神的ホラー」とも言える作品。読後感が非常に重く、心に深く刻まれます。
- こんな方におすすめ: 精神的な深層に迫る、人間の醜さや心の闇を描いた作品が好きな方。
7. 『惨劇館』(御茶漬海苔)
- 特徴: 独特の絵柄と、容赦ないグロテスク描写が魅力の短編集。陰惨な事件や人間の狂気が描かれ、読者に強烈なインパクトを与えます。
- こんな方におすすめ: ストレートなグロテスクホラー、人間の狂気を描いた作品が好きな方。
選ぶ際のヒント:
- 「精神的な怖さ」が好きなら: 伊藤潤二、押見修造
- 「グロテスクな描写」が好きなら: 伊藤潤二(一部)、彼岸島、御茶漬海苔
- 「日常に潜む不気味さ」が好きなら: 伊藤潤二、不安の種
- 「サバイバル」要素も欲しいなら: 彼岸島、寄生獣
- 「独特な世界観」を求めるなら: 伊藤潤二、押切蓮介
まとめ
独特な世界観こそホラー系漫画の強み。
まさに漫画で現実逃避です。
その先が不気味な住人が跋扈する世界では、読後に悪夢にうなされるかもしれません。
それを欲してホラー漫画を読むのでしょ・・・?
ここまでお読みいただきありがとうございました。
おんとらでした。


コメント